アウシュヴィッツ伝える 生還者の絵画など75点

■早稲田キャンパス26号館大隈記念タワーで、生還者の絵画など75点が展示されています。入場も無料です。

ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を象徴するポーランドのアウシュビッツ強制収容所から生還し、その実態を描き続けたポーランド人画家の作品展が、新宿区の早稲田大早稲田キャンパス(西早稲田)で開かれている。アウシュビッツが解放されてから今年で70年。18日には同大戸山キャンパス(戸山)で、シンポジウムも行われる。

 展示会は、作家の野村路子さん(78)(埼玉県川越市)が企画した。野村さんはアウシュビッツの生還者から話を聞き、後世に伝える取り組みを続けている。

 活動を通して知り合ったミェチスワフ・コシチェルニャックの妻から、1995年に彼の作品19点を買い取り、これまでに日本国内で展示会を約20回開いた。

 今回は「真実を伝え続ける絵画―アウシュヴィッツに生きたM・コシチェルニャック展―」と題して、野村さんが所有する全作品を展示。餓死刑に処せられることになった男性の身代わりに薬殺されたコルベ神父、配給に並ぶ人々、鉄条網越しの子供たち、女性収容者に対する拷問の様子など、生々しく描かれた作品ばかりだ。コシチェルニャックと同時期に収容されていた画家仲間の作品の複製なども合わせて、会場には75点が展示されている。

 野村さんは、今年1月にアウシュビッツ解放から70年を迎えたのを機に、「絵を故郷に戻してあげたい」と、ポーランドへの寄贈を決めている。

 国内での展示会は、これが最後になるとみられる。野村さんは「二度と同じ悲劇を繰り返さないためにも、アウシュビッツの事実を多くの人に知ってほしい」と話している。

 展示会の会場は早稲田キャンパス26号館大隈記念タワー10階。23日まで(午前10時~午後6時、日曜休館)。入場無料。18日のシンポジウムは、野村さんの講演や識者を交えたパネルディスカッションを行う。

 問い合わせは早大文化推進部文化企画課(03・5272・4783)へ。

 ◆ミェチスワフ・コシチェルニャック 1912年生まれのポーランド人画家。第2次大戦中、反ナチスの活動で逮捕され、アウシュビッツへ送られた。ドイツ兵に隠れて収容者の生活を描いた。解放後も暴虐や惨殺などアウシュビッツで見た場面を描き続け、93年に亡くなった。

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